夏の暑い日差しを浴びて 僕は羽を広げて 飛び回って
木から木へ 飛び移りながら 鳴き続けるんだよ
みんなに 元気だよって 伝えているんだ
いっぱい友達はいるけど みんな なぜ 一人が好きなのかなぁ
近づいて行っても 話もしないし
そっと 木に寄り添って 僕を眺めているだけ
短い時間を大事に 過ごしているのかなぁ
隣の木から ほのかに漂う甘い香りが
ブンブンさん カブトムシさん 少し そこの蜜を もらってもいいかなぁ
今日は遠くまで 遊びに行ったから お腹がペコペコ
あぁ! みんな慌てて どうしたの なぜ 静かにしているの
何かなぁ 大きな網に 棒がついてるよ
カブトムシさん あれは・・・
セミくん 逃げないと危ないよ 捕まったら
小さなカゴに入れられて 出られなくなるよ
本当なの 怖いよ みんなも気をつけないと いけないね
どうか 僕たちを取らないで お願いだから
僕たちは ほんの数日しか 元気な姿で いられないんだよ
だから 僕たちを取らないで お願いだから
僕の楽しみは 木に止まって 一生懸命 鳴くだけなんだよ
だから 僕たちを取らないで お願いだから
カゴの中に入れられても 僕たちは鳴かないよ
もし 誰かが鳴いたとしても それは 悲しいと 泣いてるだけだよ
だから だから だから 取らないで
短い夢 短い時間 短い幸せ 壊さないで
近くに来て 耳を傾けて そっと 僕を見てくださいね
だから だから だから 取らないで